元葬儀屋の終活総合サービス

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葬儀屋さんとご遺体(2)

おはようございます。

前回の続き「検視」についてですが、人が亡くなった場合、犯罪の可能性が僅かでもあれば、警察が介入します。

そして、検視官が検視をします。

「このご遺体はどの様にして亡くなったか❔

を調べます。

問題なければ、死体懸案書が発行されます。

何か問題等あれば、監察事務所や、病院等にに搬送されて解剖が行われます。

解剖には大きく分けて、

司法解剖(事件性がある場合)

行政解剖(事件性が無い場合)

病理解剖(病死の原因の究明)

とあります。

基本的には、葬儀屋さんは、行政解剖と深く関係があります。

行政解剖終了後のご遺体のお迎えがメインになります。

只、行政解剖はご遺族の判断は考慮されず、強制的に行われますので、

ご遺体に勝手にメスを入れて傷を付けて、原因は分かりませんでした。

というケースもあります。

勿論、2ケ月経ってご遺族から問合せをすれば、原因が分かりました。

というケースもある様です。

ご遺族の心境からすれば、大切な人に死んでまで体を切り刻まれたくないと思うでしょう❗

私も目の前で、監察医事務所の職員に詰め寄ったご遺族を見た事があります。

自分の身内に置き換えると悲しくなりました…


…大阪では、行政解剖が終われば葬儀屋が大阪府監察医事務所という施設にご遺体を迎えに行きます。

まず窓口で手続きをします(ご遺族の許可があれば葬儀社だけで迎えに行く事が出来る)

その際、代行者の認印と故人様の名前、生年月日、死亡場所の確認をします。

そして、ご遺体を迎えに裏口に回ります。

大阪市内の解剖されたご遺体が集まっていますので、人違いが無い様に手首に着けているネームタグを確認します。

遺体袋に納められているので、袋を捨てます。
衣服は来ていませんので、ご遺族が用意された服、もしくは葬儀社側で用意した白装束をお着せします。

新入社員を初めて同行させると、かなり良い経験になります。

病院で亡くなられた場合と違い、着いて直ぐに搬送は出来ません。

まず、ご遺体はステンレス台に寝ていますので血液を拭きとり、応急処置をします。
そしてオムツ(下着)、衣服をお着せて棺に納めます。

勿論、次の葬儀社も待っていますし事務所の職員にも急かされ、時間と戦いながら処置をしなければなりません。

焼死や水死、腐敗の進んだご遺体は、その場での処置が難しいので遺体袋のまま棺に納めます。

本来なら状態の綺麗(解剖しているので縫合はされていますが…)なご遺体なら、棺に納めなくともストレッチャー(担架)で搬送出来ますが、監察医事務所側が早く終えて欲しいので、どんなご遺体でも棺に納めるというルールがあります。

しかしご遺族の立場からすると、大切な方が亡くなって初めての対面が、既に棺の中に納められているとショックは大きいと思います❗

葬儀社側からしても、ご遺族からキチンと確認はとっていますが、ご遺体を棺に納めたらサイズがギリギリだった。という事もあるので納棺はしたくないんですが仕方ありません。

そして棺に納め終えると安直場所へ向かいます。

安直場所では、事情を知らないご親戚から、

「何でご遺体がもう柩に入ってるんだ❗」

とお叱りを受けるケースもあります。

ご親戚の気持ちを考えるとごもっともだと思います。

しかし葬儀屋さんも商売です。

監察医事務所で納棺をすると少なからず棺は血液等で汚れます。

棺に納めて、又、柩から出して布団に寝かせて又、納棺をする事という事も可能ですが、汚れた棺はもう使えません。

一件のお葬式で棺は二つも必要ありません。

そうすると必然的に棺に納めたままご遺族と対面となります。

監察医事務所の職員さんの話によると、葬儀社によっては、ご遺体を搬送する専用の棺を用意しているところもある様ですが、いつ発生するか分からない監察医事務所への迎えの仕事の為に、専用の棺を用意する事は考えにくいです。

ですので、話を盛っているか、監察医事務所専門の葬儀社の話かも知れません。

次回は、御自宅で亡くなられた状態の良くないご遺体の話をさせて頂きます。

ありがとうございました❗

感謝しています😊